五輪塔をモチーフにした観音像

五輪観音は五つの真理の象徴
登録意匠 第1640358号

五輪観世音

無量慈悲心

老病死離業

地水火風空

1,五輪とは五つの真理

ブッダの教えに「五つの真理」というお経があります。

それは仏教徒だけではなく全ての人々にとっての真理(理法)です。

漢字で「老・病・死・離・業」と書きます。

①老いること

②病むこと

③死ぬこと

④離れること

⑤善悪の報い(カルマ)

この五つは誰もが避けて通れません。

 

信じようが信じまいが、

わかっているようで、

わかりにくい理法です。

どれほどアンチエージングに取り組もうが、

いくら健康に気をつけていても、

誰もが例外なく年をとります。

当たり前ですが、

年齢を重ねるたびに実感できます。

 

そして悲しいことに事故や病気で命を落とします。

縁起でもないと思われるでしょうが、

生きものの現実であり自然です。

しかし観方を変えれば、

老・病・死は有り難いことかもしれません。

老というのは老化ですが、成長でもあります。

病気は心配ですが、健康を感謝できます。

死亡は残念ですが、

生と死を見つめることができます。

 

ただ、死んで全てが終わりになるのではありません。

残された者が亡くなった方を惜しむように、

死の後にも愛着(執著)というものが残ります。

我が身と心さえ捨て去り、

離れていかなければなりません。

この執著からの離別は老病死と同じように、

乗り越えることがとても大変であります。

 

そして業(カルマ)にしたがい行くべきところに行きます。

これは強調しておきますが、

信じようと信じまいと同じです。

なるべく善いことを行い、

悪いことは決してしないこと。

生きていく上での大原則ではないでしょうか。

これが五輪すなわち五つの真理の本来の意味です。

 

また生まれ変わることを輪廻(りんね)といいます。

地獄・餓鬼・畜生・人間・天上の五つを廻(めぐ)ります。

おたがい人間に生まれたことは有り難く、

過去世で善いことを重ねてきた証拠です。

来世で地獄に堕ちるか、それとも・・・。

過去の行い(身口意)に応じて行く先が決まります。

 

2,観音さまの慈悲

観音様は観世音菩薩と申し上げます。

菩薩とはかんたんに申し上げれば修行中の仏様です。

誰にも仏性(ぶっしょう)というものがあります。

仏性は輪廻を解脱する能力と申せましょう。

じつは私たちお互いが菩薩なのであります。

仏像はその姿(相)をかたどったものです。

五つの真理(五輪)も観音さまも他人事ではありません。

自分事として受け止めましょう。

 

祀って拝む仏像も結構ですが、

わたしたちは触れて親しむ仏像を作ってみました。

五つの真理(五輪)は常に観察すべきとされています。

これを総合して観無常と申します。

わが身を見つめる、わが心に触れる。

いつも死を意識する。

だからこそ今を力強く生きることができるのです。

それが「五輪観音」の心と申せましょう。

 

偶像崇拝ではなく、

自分を磨くようにして、

自分のこころを見つめる。

自分の悩みを自分が聞いてあげる。

 

他己(たこ)と申しますが、

他人というのは己の中の自分ですから、

人を見ているようで実際は自分を見ているわけです。

誰かのためではなく、自分のためでもなく、

ただ黙って優しい心を実践して参りましょう。

これが慈悲の実行であります。

 

観音様はあらゆる姿で現れます。

様々な人々が様々な姿であるように、

厳しさも冷たさも優しさも無表情さえ

観音さまと思えるかどうかです。

これを修行と申します。

 

自分から笑顔で接する。

自分から優しくする。

自分にできることをする。

 

その人の話をきちんと聴く。

その人の立場になって考える。

その人の役に立つよう努力する。

 

観音さまの限りない慈悲を我が身に受けましょう。

祈っても、願っても、叶わないときでも、

一歩前に進んで

自らの内におわす観音さまを磨きましょう。

生きとし生けるものは元々仏さまなのです。

神仏を外に求めて世界中を訪ねても

求める神仏に出会うことはないでしょう。

わがこころの中に仏様はいらっしゃいます。

どこかに出かけて求める必要はありません。



3,五大と五輪塔

五大とは地水火風空のことです。

インドでは古来より四大(地水火風)の原素により

世界が成り立っていると考えました。

これに空を加えて全てを表したのが五大であります。

また仏舎利(お釈迦様の遺骨など)を納める建造物が仏塔です。

仏塔の原語の読みは「ストゥーパ」といいます。

卒塔婆(そとうば)と漢訳(音訳)されています。

 

お墓でよく見かける木製の塔婆(とうば)も

石造の五輪塔のお墓も

奈良や京都の五重の塔もすべて仏塔であります。

お釈迦様は「塔を建てなさい」といわれたそうです。

仏塔は仏法(仏の教え)の象徴であります。

仏陀は教えそのものを後世に伝えられました。

 

お釈迦さまはご遺言で

自灯明・法灯明と申されました。

自らを明かり(拠り所)とし、

教えを明かり(拠り所)として、

怠らず精進(努力)しなさい、と。

この教えを端的に表現したものが

仏塔なのであります。

 

仏塔は時代や地域を変えて今に引き継がれています。

五大を形として表現した五輪塔はその完成形ではないでしょうか。

地(地輪)は固体や基盤を表します。

大地も石も骨も筋肉も「地」であります。

水(水輪)は流体であり離れる性質をもっています。

海も川も血液も尿も汗も涙も「水」であります。

火(火輪)は光熱であり酸化であり消化です。

太陽の光と熱も地熱も体温も「火」であります。

風(風輪)は空気の流れであり呼吸です。

偏西風も台風もそよ風も息も「風」であります。

空(空輪)は五感で感じなくても確かに存在する空間です。

電気や電波、電磁波、素粒子、神経回路などが「空」であります。

 

地震、津波、水害、火山、火災、竜巻、台風、磁場の乱れなど

恐ろしいことが頻繁に起きうるのが世界の現実です。

世界も人間も常に変化していて

変わらないものはありません。

これを諸行無常(しょぎょうむじょう)と申します。

無常を端的に表したものが五輪塔といえましょう。

 

4,五輪塔と観音さま

五輪塔の原型には諸説ありますが、

仏様のお姿をかたどったものではないでしょうか。

わたしは子供のころにお墓の五輪塔を見て

仏さまが坐禅されているように見えたものです。

 

地の石は方形(四角)で足に見えました。

水の石は円形(球)で腰に見えました。

火の石は角錐(三角)で衣に見えました。

風の石は半円(半球)で胸に見えました。

空の石は宝珠で仏さまの頭に見えました。

 

いつしか五輪塔をモチーフにして

仏像を造りたいと思うようになりました。

その思いは今こうして実現しています。

平成31年1月に特許庁に出願して

令和元年8月に意匠登録を受けました。

意匠登録番号は第1640358号です。

そしてこの仏像に「五輪観音」と名付けました。

 

いつも五つの真理を観察できるように、

いつも限りない慈悲を身につけるように、

五輪の真理と観音さまの慈悲がテーマです。

触れて親しむ仏像がコンセプトです。

さらに「磨いて祈る」という願いを込めました。

ちょうど2020年は東京オリンピックの年です。

五輪観音の輝きを今こそ伝えて参ります。

 

5,五輪観世音の短いお経

ごーりーんかーんぜーおーん

むーりょうーじーひーしーん

ろうーびょうーしーりーごう

ちーすーいーかーふうーくう

 

困ったとき、つらいとき、苦しいとき、

どうしても悩みが頭から離れないときに、

このお経をお唱えします。

 

五輪観世音 無量慈悲心 老病死離苦 地水火風空

 

目を閉じて、心のなかで、

くりかえし3回となえてみて下さい。

だまされたと思っていただいて結構です。

お金は一切かかりません。

時間もさほどかかりません。

真理と慈悲が結びついたお経です。

五輪観音のすべてを表しています。

ご利益(りやく)のないはずがありません。

 

信じるも信じないも自由です。

一般的に宗教は大事なことですが、

新たな宗教団体に入る必要はありません。

自分にとって確かな信心とは、

自らを信じ、自分でよく調べることです。

そうすれば見えてきます。

何を行えばよいかが・・・。

 

まとめ

今まで述べてきましたことを整理し、

五輪観音の全体像をまとめてみました。

 

上から頭部は老と空を表します。

つぎに胸部が病と風を表します。

そして腹部は死と火を表します。

さらに腰部が離と水を表します。

最後に脚部は業と地を表します。

上から順に老病死離業と読んで、

下から逆に地水火風空と読みます。

 

老病死離業は変わりゆく人間を示し、

諸法無我の理法を説いています。

地水火風空が変わりゆく世界を示し、

諸行無常の理法を説いています。

 

人は老い死に生まれ変わり続けています。

人生の輪転も死後の輪廻も

めぐりめぐる輪のようです。

私(わたくし)のない無我の法であります。

すべてが関わり合っております。

これを諸法無我と申します。

 

世界の動きもまた

地球の自転や公転のように

めぐりめぐる輪のようです。

移ろい変わる無常の法であります。

すべてが流れ去っていきます。

これを諸行無常と申します。

 

この厳然とした事実を見つめるときに、

人間世界のはかなさを感じざるをえません。

これを私たちが乗り越えるには、

悲しみや苦しみ痛みに沈むことなく、

慈しみの心を満たす以外にありません。

つねに真理を見つめ慈悲の心で生きる。

日々を「よく生きる」ことです。

 

世界と人間の悲しみの音と痛みの声を

私たちの心の中におわします

観世音菩薩が受け止めて下さいます。

無量の慈悲心、大悲心であります。

 

真理に触れて親しむのであります。

それは観音菩薩の心をわが心とすることです。

限りない優しさを磨くことです。

これを観音行(かんのんぎょう)と申します。

慈悲心つまり真の優しさは

何よりも強く勝れているのです。

これを観音力(かんのんりき)と申します。

 

以上が五輪観音の意味です。

これは五輪観音の祈りです。

そして五輪観音の輝きです。

仏教は智慧と慈悲の光輪なのです。

 

↓↓↓

 

五輪観音のイメージを下図のように

3Dモデルにしてみました。

拡大縮小はもちろん

前後左右上下360度回転できます。

そっと触れて親しんでみて下さい。

配色は昔からの伝承です。

プラスチックぽくなりましたが、

雰囲気は出ていると思います。

色形よりも

真理と慈悲に気づいて頂きたい。

 

どうかお幸せに。

 

五輪観世音

無量慈悲心

老病死離業

地水火風空

 

五輪観音 如件

製作/著作 2019©️合同会社 念 輪

 

五輪観音の受注製作について

 

↓五輪観音の3Dモデル(全方位360°ビュー)